「ごめんね、別れようと思う」


1月に知り合ったその人は、お酒が大好きな年上の女性だった。

声を掛けたのは僕のほうで、しばらくすると、お互いを深く知るようになった。


すべてが終わり、今思う、そのときはふしだらな気持ちで誘った。

彼女もいなかったし、こんな女性と知り合いになれたらと思った。

前の彼女を完全に忘れるためにも付き合おうと思った。




最低だ・・・。




時がたち、何かが違うと思いはじめた。

好意をもってはいる。

愛しているか?といえば否になる。


二人で出かけた後、別れるときに、好きだよという、その言葉が凄く辛かった。






そして、僕はとうとう口にした。



「ごめんね、別れようと思う」



そして、僕がどんな気持ちで誘ったか、前の彼女がいまだに振り切れていない事。

今の心境を話した。





「知っていたよ」



彼女は言った。


「だって、いっしょにいるときも、キスしたときも、何時も目が悲しそうなんだもん

寂しかったけど、でも好きだったから・・・。」






帰り道、僕は車の中で、声を出して泣いた、涙が止まらなかった。

新しい彼女ができれば、前の彼女をわすれられるなんてのは、うそっぱちだ。


・・・わかっていたはずなのに、人は過ちをくりかえす。

別れを切り出したほうが涙目になっていた情けない僕の横で、最後まで

凛としていた、不器用な大人の彼女に・・・乾杯。






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