「失った物はもう二度と戻らない」




つき合っている間、彼女が側にいることなんて当たり前だった。

毎日同じ繰り返しに、少しずつ何かが見えなくなっていた。




そして全てを失った。




たった独り、静寂しかない部屋に放り出されてやっと気がついた。

昨日まで見えなくなっていた何かに。



でも、全ては手遅れだった。

本当は解っていた。いや、解っているつもりだった。 そう、




「失った物はもう二度と戻らない」







【Back to 1996年度】