「出る宛もない結論を探してさまよってる」



あれは上越に行ったときの事だった。



上越は不思議な国だ。

前方は海、そして他の三方を山に囲われたその地は、まるで陸の孤島のようでもある。

その上越にある上越教育大学が今回の舞台だ。


全学生が半径2km以内に居住し、全国から来た学生が鍵もかけずに部屋を行き来するという

到底都内では考えられないような環境にある上越教育大学。

(もう一つ都内では考えられないことがある。J-PHONEのCMを誰も知らなかった事だ!)


そんな上教大のすぐ近くに友人は住んでいる。





例年のように上越に遊びに行った私は、例年のごとく修羅場に遭遇した。

実は上越は修羅場の国なのだ。

私が上越に行くと必ず修羅場が繰り広げられているという、なんとも凄い地なのだった。



今回の修羅場は激しかった。

簡単に言うなら二人の女が一人の男を奪りあってる、とでもいったところか。


無論その男は私の友人である。





夜も更けた頃だった。 私は友人の家でまったりくつろぎ、さあ飲もうかと言うその時に電話が鳴った。

受話器を置いた友人はこういった。


「あ、例の二人のうちの一人が来るから。」


うわああああああっっっ、修羅場だああああ!!!

私はいきなり修羅場に引きずり込まれてしまった...。




ピンぽーん。チャイムと共にそのヒトは入ってきた。

とりあえずうち解けてみた私。

なんだ。いい人じゃあないかーてな感じであった。



そのうち酔いつぶれた友人は寝てしまった。

ふう、修羅場も一時停止だねえ。安心した私は彼女と終わったの会について語り始めた。

どうも彼女は悩んでいるらしい。

彼女「好きな人がいるの。でもね...」

そんな彼女の話は止まることなく続いた。



そして彼女は言った。

「あのね。私の好きな人ってね。」

おもむろに彼女は指さした。その指先には友人が...


あはっ。思い切り修羅場に巻き込まれ夫(トホ)。




話しを聞くにつれ、どれ程彼女が終わっているかに私は涙した。



私が終わったの会寸言集の話をしたその時。

彼女は言った。



「あ、私も寸言あるの。」

紙とペンを渡すと、ためらいつつも彼女はこう書いた。









「出る宛もない結論を探してさまよってる」








その夜、本当の寸言に出会えた気がした。









【Back to 97年度/春・夏】