「そうか、がんばれよ。」


遠距離恋愛を続けていた彼女。

でも、寂しさと時間が少しずつ二人の距離を隔てていたのだろうか。

一定の距離を保ったまま少しずつ消えてゆく想い。



そんな彼女の前に新しい彼は現れた。

仕事で知り合った二人は急速にその距離を縮めていった。

当然終焉は訪れる。

迷いはあった。しかしいつかはけりをつけなければならないこと。

別れを告げるため、重い気持ちのまま受話器を手に押し慣れた電話番号を押した。



彼「もしもし?」

彼女「.....。」



続く無言。無限とも思えるその時間の後に彼はこう言った。



彼「別れたいのか?」

彼女「.....うん。」



彼女はいきさつを話し、長い間お世話になったと伝えた。

これが最後の電話になるのだから。

彼は話を聞いた後、全てを包み込むようにこう言った。




彼「そうか、がんばれよ。」







最後の言葉にしては優しすぎる。




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