あれは寒い夜のことだった。
独り身の友人を自宅へ送る途中、車内でこんな会話をした。
「そろそろクリスマスですよ。」
「ほら、終わったの会の論文にもありますけど、
クリスマスが近づくとみんな始まるっていうじゃないですか。」
「がんばってください。」
そう言うと、後部座席にいた彼女はこう呟いた。
「そううまくはいかないよ...。」
・・・ううん、確かに。
幾多の記憶が必ずしもうまくいかないことを物語っていた。
論文のはかなさにしょんぼりした私。
つい思わずこう答えてしまった。
「...そうですね、売れ残る人は売れ残りますしね。」
寒い空気。
終わった。