「クリスマスソングは切ない」


それは冬の新宿の出来事だった。

クリスマスという名のイルミネーションが人々の心を照らし、

街は高揚感に包まれていた。

そんな街角で、3人の男は集まった。

どこか影がちな背中の仲間達だから、飲むしか道は無く。

店へ入るとあたりは忘年会の歓声に満ちていた。



独り身だ、心からそう嘆く男はこう言った。

「クリスマスソングって、いいよね。」



グラスを置く手。

少し目をそらし、彼は続けた。




「あのさ、俺発見したんだけど。

クリスマスソングっていうと何か幸せなイメージあるけど、

実は別れの歌が多いんだよね。」

「山下達郎もB'zも辛島みどりも、実は全部悲しい歌だから。」



そう嬉しそうに語る彼。

詳しいなあ、そう思って聞いていた。



その後だった。

漏れ息といっしょにグラスを空けた彼は、

そのままの笑顔でぼそり、こう呟いた。





「・・・って調べる為に、カラオケでひとり

クリスマスソング5〜6曲歌ったんだけどね。あは」






静かな一瞬の沈黙。

突然涙が溢れてくることを、

そこにいた誰もが止めることなどできなかった。






いつかのメリークリスマス。




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