「安くなったもんだね」




昔彼は暴れていた。渋谷を蹂躙し輝いていた。

そんな彼もある女性がきっかけで、落ち着く時が来た。




その女性と別れて一年。それからの彼はまるで仏道に入ったかのように悟りを漂わせていた。

でも、

「そろそろ彼女でもつくろうかな」

そう彼が言い始めたのはつい最近の事だ。



この前パーティーがあり、彼は出逢いを求めて参加した。

騒音に満ちた会場で彼が女のコと楽しげに話していたのを覚えている。

相手のそのコは実に普通のコだった。むしろ以前の彼からしたらどうしたの?って感じのコだった。

「落ち着いたね、彼も」

僕はそう思った。







パーティーも終わり、家についた僕に彼から電話があった。

「あの、付き合う予定なんですけど。」


え、あのコと? 思わず僕は答えた。

「安くなったもんだね。」





彼は言った。


「それ言わないで」







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